上高地の歴史と共に歩む、
落ち着きある和風ホテル
田代橋・穂高橋を渡り梓川に沿ってウェストン碑方面に向かうと、最初に見える4階建ての建物が上高地温泉ホテル。各客室に備えられた木造りのベランダ、焼岳を借景に佇む、落ち着きのある和風ホテルである。
正面には梓川の清流、眼前に迫る霞沢岳、六百山。かつて洋画家・安井曾太郎はここに長期滞在し、2階の部屋から見える霞沢岳を力強く描いた。
開湯は江戸時代にさかのぼる。文政13年(1830)というから、11代将軍・徳川家斉の時代。上口湯屋として開設され、その後明治19年(1886)から(株)上高地温泉ホテルが上高地温泉場として宿泊営業を始めた、創業130余年の老舗旅館でもある。
美術館のような芸術の香り漂う館内
日本を代表する文人墨客が数多く滞在した上高地温泉ホテル。部屋からの景色を目の当たりにしてたくさんのアイディアが生まれ、数々の作品となっていったのであろう。ギャラリーでは、ホテル所有の芸術作品を定期的に入れ替えながら常設展示、また館内のいたるところに彼らの作品や足跡を展示している。
創業当時に思いを巡らせれば、「東海道中膝栗毛」などの滑稽本や川柳、錦絵(浮世絵)といった町人文化の全盛期(文化文政時代)。多くの文人墨客が訪れ、芸術の香り漂う雰囲気は、そんなところに由来しているのかもしれない。
源泉かけ流しの温泉宿
ホテル敷地内の自家源泉から湧き出る温泉は、湯量豊富な源泉かけ流し。内風呂、露天風呂は無色透明、樽風呂は白濁の湯だ。爽やかな風を感じながら湯に浸かれば、身も心も癒されていく。
午前・午後の時間帯で外来入浴もできるし、売店前には無料の足湯もあるので、散策の途中や登山帰りに是非立ち寄りたい。
万人を魅了して止まぬ、その日その日の上高地、何度も訪れたくなる所以。
「上高地の魅力…、やっぱりこの景色じゃないですかねぇ。春は春、夏は夏、秋は秋で、毎日違う表情を見せてくれます。一口に新緑といっても形や色の濃さもそれぞれですからね。」上高地温泉ホテル社長の青栁浩一郎さんは言う。
「来るたびに違う上高地を発見できるのが、リピーターが多い理由の一つだと思います。雨の日は、雨の日だからこそ見られる景色があって…。雨上がりの川霧とか幻想的ですよ。」
早朝散歩、夜は館内でスライドショーなども行っていて、宿泊のお客様に好評のようだ。
上高地温泉ホテルの施設情報
INFORMATION
- 宿 泊
- 客室数/55室(和室47・洋室8)
チェックイン/15:00
チェックアウト/10:00
宿泊料金/17,530円~(大人1名1泊2食付き・税サ込)
- 食 事
- 4月25日〜11月中旬
11:00~14:00
- 喫 茶
- 4月25日〜11月中旬
8:00~15:00
- 売店・お土産
- 4月25日〜11月中旬
8:00~18:00
- 外来入浴
- 4月25日〜11月中旬
7:00~9:00
12:30~15:00
入浴料金/大人1,000円・子ども(小学生以下)500円(いずれも税込)
- お問い合わせ
- 〒390-1516 長野県松本市安曇上高地
TEL 0263-95-2311 (※冬期 0263-50-5201)
FAX 0263-95-2639