大型哺乳類から両生類・爬虫類・魚類まで、山に暮らす生きものたち|上高地の動物
上高地に棲息する哺乳動物としては、ニホンカモシカ・ツキノワグマ・アナグマ・ニホンザル・キツネ・タヌキ・ノウサギ・オコジョ・ヤマネ・ニホンリス・ヒメネズミ・ヒミズなどが確認されています。
よく見かけるのはニホンザルです。森林に群れで住み、人間を恐れず木の上や歩道沿いを移動しています。樹林の中でニホンカモシカを見かけたり、運が良ければオコジョに出会ったりするかもしれません。
ツキノワグマもいますが、昼間の目撃情報はめったにありません。出没情報が上高地インフォメーションセンターや上高地ビジターセンターに掲示されている場合がありますので、念のためご確認ください。
小動物は動きが素早く、夜行性の動物もいるので、見つけることはなかなか困難です。それでも秋になれば落葉した林の中は見通しもよくなりますので、木の皮を剥いだ跡や木の実をかじった跡など、動物が残した痕跡・フィールドサインを探すのも一つの楽しみ方ですね。
その他にもカエルやサンショウウオなどの両生類、アオダイショウやシマヘビ・トカゲなどの爬虫類や魚類も上高地には棲息しています。
イワナは、梓川流域で見ることができます。しかし上高地の在来種はニッコウイワナと呼ばれるもので、現在は横尾より上流域でしか見られないといわれています。下流域のイワナは放流されたものや様々な斑紋を持った雑種のものが多いようです。
かつて上高地にも放流されたブラウントラウトは明神池や大正池あたりには多数棲息しています。イチョウバイカモのある清流・清水川では、イワナとともにカワマスが割と近くで見ることができます。
ニホンカモシカ(偶蹄目 ウシ科)哺乳類
ブナ・ミズナラなどの広葉樹林や混交林に棲息しています。植物の葉や木の芽、樹皮、果実などを食べます。早春や晩秋に上高地の各所で時々姿を見せます。日本固有の動物で国の特別天然記念物に指定されていて、長野県の県獣でもあります。
ニホンザル(霊長目 オナガザル科)哺乳類
上高地で最も多く見かける動物です。道路や施設付近にも出没し人を恐れません。広葉樹林の山林に概ね数十頭の群れをなして生活する昼行性で、夜は安全な木の上などで眠ります。木の芽や果実のほか小動物も食べる雑食性です。
ホンドオコジョ(食肉目 イタチ科)哺乳類
岳沢、涸沢などの高山付近に多く、岩の隙間などを素早く動き回ります。上高地でもキャンプ場や遊歩道を横切ったりします。夏毛は腹部が白く背中側は茶褐色で、冬毛は尾の先を除き全身真っ白になります。ネズミやモグラなどの小動物を主に食べます。
ニホンリス(げっ歯目 リス科)哺乳類
朝夕活発に行動し、樹上でも俊敏に移動します。夏毛は赤みを帯びた茶褐色、冬毛は灰褐色になります。ドングリなどを好んで食べますが、昆虫や小鳥の卵なども食べる雑食性です。冬眠せず、木の実を地中に蓄え掘り出して食べる習性があります。
イワナ(サケ目 サケ科)魚類
水温15℃以下の冷水域に生息し、池を含む上高地梓川流域で見られます。特に清水川ではイチョウバイカモの中を泳ぐ姿が間近に見られます。交雑種が多く、黒っぽい体の背中から側面には、多数の白い小さな斑点など様々な型の斑紋があります。