アルピニスト憧れの峰々
槍、穂高、3,000m級の険しい山々が連なる北アルプス
日本近代登山の歴史はここから始まった
穂高連峰があるかららこその上高地
見上げる峰はアルピニストの憧れという名にふさわしい
威厳と風格を漂わせる
上高地の風景にいつもある穂高連峰
上高地のあらゆる場所からその姿を望める穂高連峰。梓川沿いの遊歩道も、穂高から見て右岸・左岸に区別されています。上高地は、穂高連峰があるからこそ上高地だともいえます。
北アルプスの最高峰は日本第3位の高峰でもある奥穂高岳(3,190m)で、前穂高岳(3,090m)北穂高岳(3,106m)西穂高岳(2,909m)などが主なピークとなっています。また、奥穂高岳は日本百名山・新日本百名山に、西穂高岳は花の百名山に選定されています。
日本を代表する岩壁が揃う穂高連峰はアルピニストの憧れであり、近代アルピニズム発祥の地として国内で最も高い人気を誇っています。上高地から見上げる峰々は憧れという名にふさわしく、威厳と風格が漂う名峰です。
穂高岳で芽生えた友情
日本近代登山の父、ウォルター・ウェストンが上條嘉門次を山案内に、穂高岳に登頂したのは明治26年(1893)。ふたりの初対面では、悪天候で穂高岳登行の先を急ぐウェストンと、悪天候であるがゆえにこれを拒む嘉門次の意見が食い違い、感情的な対立があったと伝わります。
しかしその後、ふたりは何度も山行を重ねる中でお互いの絆を強めていきました。特にウェストンは嘉門次の山行技術と的確な判断を認め、信頼は極めて深いものになったといいます。彼の著した『日本アルプスの登山と探検』のなかで、嘉門次は「ミスターカモンジ」として登場し、世界へその名を発信しました。明神池ほとりに佇む嘉門次小屋の囲炉裏には、嘉門次が愛用した猟銃と共に、友情の記念としてウェストンが贈ったピッケルが飾られています。穂高岳の登山で芽生えた友情は今も、上高地に広く伝わっています。
穂高連峰の主なピーク
▲奥穂高岳(3,190m)
北アルプスの最高峰で日本第3位の高さを誇る。山頂には日本アルプスの総鎮守・穂髙神社の嶺宮が祀られている。
▲北穂高岳(3,106m)
穂高連峰の最も北に位置する厳しい難所。西面には「鳥も通わぬ」といわれる滝谷の岩場が剥きだしている。
▲前穂高岳(3,090m)
奥穂高岳と吊尾根で結ばれた岩と雪の急峻な峰。裏面の奥又白谷の奥にそそり立つ前穂東壁は「ナイロンザイル事件」の舞台。
▲西穂高岳(2,909m)穂高連峰の西端に位置する険しい岩場の大きな山体。河童橋からは稜線の左端に見える。
▲明神岳(2,931m)穂高連峰の東端に位置し、河童橋からは稜線の右端に見える。最も険しく崩れやすい岩場が続く大きな山体。(過去名は穂高岳)
穂高連峰の主なビューポイント
■岳沢 河童橋から正面に見える穂高連峰中腹の溪谷。前穂高への急峻な登山コース上にあり、ここまでの軽登山も人気。途中、上高地を見下ろせるポイントや岳沢名所の風穴がある。
■涸沢カール 吊尾根の裏側にあり、圧倒的スケールで眼前に迫る周囲の穂高の山々は初夏でも残雪が多く、雪どけの斜面に咲く高山植物も楽しめる。紅葉シーズンは、テントがひしめき合うほどの賑わい。
Access
穂高連峰へのアクセス
上高地・岳沢登山口から岳沢へ
岳沢から前穂高岳・奥穂高岳へ