上高地のランドマーク、絶好の展望
標高1,500mの山岳リゾート・上高地
周りの風景と調和するその木製の吊り橋は
雄大な穂高連峰とともに
訪れた人々の記憶に深く刻まれる
大自然に溶け込む風格の存在感
上高地のシンボルともいえる河童橋。人工物でありながら、その姿は大自然と融合し上高地に欠かせない風格のある存在となっています。橋の上からは雄々しくそびえる穂高連峰や岳沢、清冽なる梓川の流れ、陽光に煌めき揺れる川辺のケショウヤナギやカラマツ、そして振りかえれば時折噴煙たなびく焼岳が展望できる絶好のビューポイントとなっています。
4月27日の開山祭から5月の連休にかけて、あるいは7月中旬からの夏休み期間、そして10月上旬あたりからの紅葉の時期など、最盛期ともなれば河童橋周辺は〝上高地銀座〟と呼ばれるほど多くの観光客で賑わいます。
跳ね橋から吊り橋へ
最初の橋はいつ頃架けられたのか定かではありません。河童橋はかつて梓川の両岸から木材をせり出すように架けられた跳ね橋でしたが、明治43年(1910)に吊り橋となりました。老朽化に伴いその後、昭和5年(1930)、昭和32年(1957)、昭和50年(1975)と架け替えられています。現在の橋は平成9年(1997)に架け替えられた5代目の吊り橋です。
小梨平にある上高地ビジターセンターの入り口付近には、架け替えで取り外された2代前の河童橋の欄干が設置されています。
不思議な名前「河童橋」
河童橋という名前の由来には「その昔、ここに河童が住んでいそうな深い淵があった」とか、「橋のなかった時代、衣類を頭にのせて川を渡った人々の姿が、河童に似ていた」など諸説あります。芥川龍之介(1892-1927)が昭和2年(1927)に発表した小説『河童』のなかで、上高地や河童橋が描写されていることで、その名が広く知られるところとなりました。
架けられた時期も、なぜ河童橋というのかもわからない謎の多い橋ですが、上高地の象徴として人々の心に印象深く刻まれています。
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