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田代池・田代湿原

Tashiro-Ike/Pond

Tashiro-Ike/Pond

Japan Alps Kamikochi

隠された穏やかな池と湿原

森を抜けると突然視界が開け、おおらかに広がる湿原地帯
そこには空と岳を水面に映す美しい池が静かに佇み
季節の草花を一面に咲かせて
穏やかに旅人に微笑みかける

静寂と神秘に満ちた、箱庭のような光景

原生林のなかに、ぽっかりあいた湿原に広がる田代池。八右衛門沢などからの土砂によって流れがせき止められてできた浅い池です。池のなかには幾つかの島があり、まるで水田地帯のように穏やかな風景となっています。田代池の四季は美しく、夏はイチョウバイカモや周辺のニッコウキスゲ、コケモモが箱庭のような美しい景観を見せてくれます。5月の新緑や10月の黄葉、晩秋の霧氷もおすすめの光景です。
サギスゲに覆われた田代湿原では、透明度の高い水面に穂高連峰が映り込んで、新緑の頃咲くレンゲツツジのオレンジが絶妙なアクセントになっています。

田代池を愛したウォルター・ウェストン

日本アルプス・上高地を世界に称賛し、楽しみとしての登山を広めた日本近代登山の父、W.ウェストン。日本に3度来訪したウェストンは、大正3年(1914)上高地を離れる日の最後に田代池を訪れています。著書にはこんな言葉が記されています。
「早朝、すがすがしく澄み切ったなかを、私たちはしょんぼりと梓川谷をくだっていき、人影のない田代の池を通りすぎた。鏡のような沼面は穂高の灰色の断崖と輝く雪を静かに映していた」。
穂高の山並みを眺めるには、田代池あたりがもっとも適した場所であると言う人もいるほど。ウェストンもそう感じていたのでしょうか…。
大雨による土砂の流入・堆積の影響で徐々に小さくなった田代池は、自然界の大きな定めの中で今も、青く澄んだ水面を輝かせています。

氷点下でも全面凍結しない池

朝の田代池は、神秘的な雰囲気に包まれています。六百山や霞沢岳の伏流水が湧き水となって溜まり緩やかに流れる田代池は、氷点下になる季節も全面結氷しません。周辺の木々は霧氷に包まれて幻想的な風景を醸し出しています。
河童橋からは梓川沿いを下流に向かい、大正池の手前。林間コースと梓川コースの合流点を過ぎると、辺りは樹林から次第に湿原地帯に移っていきます。田代池とサギスゲの群生が広がる湿原…。上高地の空がより広く感じられるおすすめのビュースポットです。

Access

田代池・田代湿原へのアクセス

上高地バスターミナル
徒歩約35分
田代池・田代湿原
大正池バス停下車
徒歩約20分
田代池・田代湿原
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